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in period《完》

period⑥

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お待たせしました。続きです。










おすすめだというワインを細田さんがグラスに入れてくれる。
せっかくだけど、手をつける気分になれなかったあたしを見て細田さんは苦笑いした。

「大丈夫ですよ。睡眠薬とか入ってませんから」
「な、ちっ違いますっ!そんなつもりじゃっ・・」
「冗談です」

微笑む細田さんを見て、あたしの気がほっと緩む。
気を遣ってくれたのか、その後、細田さんは他愛もない話をしてくれた。
耳を傾けながらいい人だなぁと素直に思う。
 


男女が夜に同じ部屋にいる意味を分からないわけじゃない。
まして自分に好意を抱いている相手が一緒ならなおさら。



(・・・あたしはここにいちゃいけない)



こんなにいい人を、その想いを利用することはしたくない。




『細田さんを愛するって決めたの』


『リョウにあたしを止める権利はない』




――勢いだった。自分を守ろうとした。精一杯の虚勢だった。

だって、あんなふうに言われたのは初めてだったから。
あんな真面目な顔で、声で、腕で――。
今までのあたしだったら泣いて喜んだかもしれない。笑顔でリョウの胸に飛び込んだかもしれない。
でも今はそれができない。


どうしたらいいのか分からなかった。

だから逃げた。


細田さんを、リョウへの想いの逃げ道にしていまっている。
利用したくないとえらそうなことを言いながら、一番自分がしようとしているじゃないか。






最低だ、あたし。








「・・・りさん」


「香さん?」



ハッと顔を上げると、細田さんと目が合った。


「あ、すみません・・・」




「・・・心ここにあらず、って感じですね」


向かいのソファに座っている細田さんは膝の上で手を組むと、あたしを見た。
その真剣な表情に何も言えなくなる。


「そんなに気になりますか?」


一瞬何を聞かれているのか分からなくて言葉に詰まると、その間に細田さんはあたしのそばへ来てそして。
抱き上げられたと分かったのは、寝室のベッドに下ろされたときだった。


「・・!ほ、細田さっ・・・!」

言おうとした言葉は首筋にあてられた唇にかき消された。

「・・っ・・・」

優しく、しかし有無を言わせぬ強さで細田さんの手が這う。
ゆっくりとブラウスのボタンが外されていく。
ボタンを3つ外されたところで、ようやく体が動いた。

「ま、待ってくださいっ・・!」
あたしは細田さんの手を押さえながら言うけれど、行為は止まない。
もう一度唇があたしの首筋を這う。

「・・っ・・・!」

わずかな刺激に声が漏れる。



――――このまま細田さんに抱かれていいの?



――――あたしは細田さんが、本当に好き?






「・・っ・・ほ、細田さんっ!!」




荒げた声に細田さんが手を止めた。

肩で息をしながらあたしは細田さんを見上げる。
細田さんはわずかに目を細めると、あたしの頬に指で触れた。



「・・・やっぱり」



触れられたことで、自分が泣いていることに気づいた。



「冴羽さん、なんですね」



苦しそうに呟く姿を見て傷つけた、と思った。
利用したくないなんて言ってたくせに、あたしが一番傷つけてしまった。
そんなつもりはなかったなんて、言い訳にすぎない。

「・・ぁ、・・」

「あぁ、謝らないでください。ますます惨めになります」

そう言って細田さんはベッドに腰をおろした。

「一度振られているくせに、僕もたいがい諦めが悪いです。友達でいいって言ったのは自分なのに。そばにいれば想いを伝えたくなる。伝えたら応えてほしくなる。自分のものにしたくなる」



「・・・僕と香さんは・・・、似ているところがあるかもしれませんね」


苦笑いをしながら振り向いた細田さんに、返す言葉がない。
やっぱり、ここにいるべきではなかった。そう後悔してももう遅い。細田さんを傷つけてしまったことには変わりない。
好きな人に振り向いてもらえない苦しさは、あたしもよく分かっていたはずなのに。







―――ビーー。







突然鳴った部屋のベルに、思わず二人で顔を見合わせる。
ルームサービスを頼んだ覚えはない。細田さんの表情がそう言っている。
そっと立った細田さんを追うようにベッドを下りようとすると、

「香さんはここにいてください」

とやんわり制された。

「大丈夫ですよ。もう今みたいなことはしません」

表情に出ていたのだろうか。この部屋に残るということが、どうしてもさっきの行為の続きを示すような気がして。
そんなあたしを、また困ったように笑った細田さんが見ていた。











お決まりパターンですみません(土下座)


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