それでも

完全自己満足のCH二次創作ブログです。 想いのままに書き散らかしています。

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その言葉が聴きたくて(3)

うわーーん!ごめんなさい!
ずっっっと放置していたお話の続きです。
そしてまだ終わらないという・・・。

ちょっとページをさかのぼって(1)と(2)を読んでから見て頂けると助かります。





















「…冴羽さん」


美樹ちゃんの遠慮がちな声で我にかえる。

「はは、さすが男女。素手でもハンパじゃねー」

大げさに頬をさすりながら正面を向く。



「さっきの話、本当なの?」
「あ?・・・あぁ、ホント」
ぬるくなったコーヒーを口に含む。

「今の口ぶりじゃ、見てたのね?」
「いんや、情報屋から聞いたの。聞いてもねぇのにベラベラと」
「それで?」
「それでって?」
「なんとも思わなかったの?」
「べっつに。もらうももらわないも、あいつの勝手だし」

「それで、もらってつけたらつけてたらで意地悪言うのね。・・・悪い人」


ため息まじりに聞こえた最後の言葉は、コーヒーと一緒に飲みほした。




***



その日の夜。

なんとなく家にいづらくて、いつものように飲みに出かけた。


「はっきり言えばいいのに」
「あー?」
「ほかの男からもらったモノをつけるのが気に入らないって」
「何言ってんだか」
「おまえホント、素直じゃないねー」
「うるせぇ」

なんで俺のまわりにはこう、おせっかいが多いんだ。しかもみんなアイツの味方ときたもんだ。・・・おもしろくねぇ。

「カオリ、かわいそうに」
「・・・・・」
「アクセサリーのひとつもつけさせてやらないなんて、なんって心のせまい男なんだ!」
「・・・うるせぇ」







『最低』






香の声がよみがえる。

タバコの煙を吐きながら、小さく息を漏らした。

当分口をきいてもらえないかもしれない、そう予想した。






***







2日たった。

香の機嫌は相変わらずだったが、日常生活に支障をきたすほどではなかった。

ほとんど単語でするやりとりに早くも限界を感じたのは、俺の方だった。
だから。



「・・・おう」


「・・・・・・おはよ」


いつもよりかなり早起きのパートナーに驚きを隠せない香。

そのリョウはと言うと、なんとも居心地が悪そうにドアの前に突っ立ている。



「・・・今日、依頼?」

「・・・・・・いや」

小首を傾げながらも、どうやら仕事ではなさそうだと思った香は朝食の準備を進めていく。
「・・・すぐ支度するから」



その後ろでリョウは相も変わらず突っ立ったまま。

ガシガシと頭をかく。

イスに座って新聞を広げ、香の様子を窺う。

今日は薄いブルーのシャツに白のパンツ。あの日から香は首元を隠すような服を選んでいた。

香がテーブルに料理を並べていく様子を、新聞を見ながら目で追っていると、首元で光るものを見つけた。




その瞬間、リョウの中で何かが弾ける音がした。




「なぁ、それってプレゼントの催促?」



「・・・は?」



美樹ちゃんの言葉とか、

ミックの意見とか。

いろいろ考えてちょっと悪かったかな、なんて思ったけど、やめた。



気にいらねぇもんは気にいらねぇ。



突然の問いかけに香は眉をしかめる。
リョウの箸の先には香の細い首。


「そ・れ」

何を指しているのかを察して、香の手が首へ動く。

その動作がまるで男をかばうようで、愛しむようで、ますます気にいらねぇ。




「・・・これのどこが催促なのよ」

少しムッとした表情になる。

「『あたし、男の人からプレゼントもらったの。いいでしょう?
もちろん、リョウもくれるわよね?』とか思ってんじゃないのぉ?」

香の目が大きく開く。

「ばっかじゃないの!?そんなわけないじゃない!」

「あ、それとも見せつけてる?」

「別に見せつけてるわけでも、催促してるわけでもないわ!」

「ホントかぁ?そのわりによくつけてんじゃん」

なんでそこまで言われなきゃいけないの?
アクセサリーひとつつけることがそんなにいけないことなの?
唇をかみ、顔を伏せる香の表情はそう言っているようだ。


「・・・・・・いう理由じゃだめなの?」

「あ?」

「気に入ってるっていう理由じゃだめなの?」

「チャラチャラした格好すんなって言ってんだろーが」

「依頼のときははずすわよ」

「突然攫われたときはどーすんだよ。ただでさえ狙われやすいっつーのに。
…だいたい、似合ってるとでも思ってんの?」




香の瞳が揺れた。

だんだん視界が歪んでいくのがわかる。
こんな男の前で、こんなことで泣きたくない。泣いてたまるもんか。


その様子を見ていたリョウが言い過ぎたかと思ったとき、





「…アンタの視界に入らないようにするわよ」




香は絞り出すように言うと席を立った。

弾かれたようにリョウも席を立つ。行かせまいと腕をつかみ、壁に追い詰める。

うつむいている香の表情は読めないが、声が濡れていた。













次こそ終わりです(たぶん)
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