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in その言葉が聴きたくて《完》

その言葉が聴きたくて

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よ、よかったー。カオリンの誕生日には間に合った!
















「こ、これっ、受け取ってください!」
そう言って手渡されたものは、赤いリボンのついた小さな箱。







その言葉がきたくて









「え・・・っと・・・」
見覚えのない男に香は困惑する。しかも自分よりかなり若い。
「今月が誕生日だと伺ったものですからっ・・」

どこで知ったんだ、という突っ込みが一瞬頭をよぎったが、それはすぐに吹きとんだ。
顔を上げた目の前の男、いや・・・男の子と呼んだほうがきっと正しい。
紺色のブレザーに首までしっかりと結ばれたネクタイ。グレーのズボンは今どきの子にしては珍しくきちんとはかれている。何かスポーツをやっているのだろうか。斜めに提げたスポーツバッグが大きく膨らんでいる。



確かにもうすぐあたしの誕生日。でもでもでも。
見ず知らずの、しかも明らかに高校生の男の子から物をもらうなんて。ないないない。
人生初の、不意打ちな出来事に頭はすでにパニック状態。とにかく、断らなきゃ。
「でも、いただく理由が・・」
そう言って断ろうとしたとき、


「ずっと前から見ていました!お願いします!」


プレゼントをもらうときにお願いをされたのは初めてだった。






***






結局断り切れずに受け取ってしまった。

名前を聞く前に走って行ってしまった男の子。受け取った瞬間、眉をさげてホッとしたような表情をして、すぐに微笑んだ男の子。ちょっとかわいかったな、なんて。

自分の部屋でそっと開けてみた。コットンのようなやわらかい生地の間にちょこんとのった小ぶりのネックレス。淡いピンクベージュのパールがついたシンプルなデザインだった。

「あたしってこんな印象なのかな・・」

目の前に持ち上げ、まじまじと香は見た。
女らしくない自分には少し可愛すぎる気がした。


厚紙の箱に、ちょっと軽めのパール。
決して宝石店のような高価な箱じゃないし、手のひらに重さを感じる高級感もない。

それでも。

高校生が、高校生のおこずかいで買える最大のものだと思った。
女の子がたくさんいるお店に入って、照れながら一生懸命選んでくれたんだろう。
その気持ちがうれしかった。

ふと自分の高校時代を思い出す。休み時間のたびに男子と野球をしていた自分。かたやその一方では彼氏からアクササリーをもらって喜んでいる女の子たちがいた。自分には縁のないことだなんて興味のないふりをしていたけど、本当はプレゼントをもらえる関係と、それが似合う女の子たちがとてもうらやましかった。

あれから何年だろう。当時の女の子たちに遅れること数年、ようやく自分にもそういうときが訪れたのだ。好きな相手からではなかったけれど、人から想いを寄せられることは素直にうれしいと思う。


男の人からのプレゼント。
兄貴の指輪を抜きにすれば、アクセサリーは人生初、だ。
まさか高校生にもらうとは思ってもみなかったな。





ふと箱を見ると、中に何か入っている。

・・・紙?


コットンのようなやわらかい生地の下に隠れるようにしてカードが小さく折られていた。




「なんだろ・・?」




見ると、












『 love token 』














書いてあったのはそれだけだった。

「・・・・は」










ねぇ、いいの?


あんたがこんなにあたしを想っても、あたしは別の人が好きなのよ?
あんたがあたしを想っているとき、あたしはあんたじゃない人に笑いかけているのよ?
あたしは、あんたのことなんて、少しも。


ねぇ、     いいの?


男の子が自分に重なって見えた。
そばにいられればいい、想いが伝わらなくてもいいなんて、そんなのタテマエに過ぎない。そばにいれば想いを伝えたくなるし、想いを伝えれば応えてほしくなる。
毎年毎年、あたしの誕生日は一緒に過ごしてくれる。それって期待してもいいってことなの?それとも約束したから単なる義理?
降り積もる言葉は溶けることなく重なってく。




気障なこと言ってないで、他のいい子見つけなよ。あたしみたいな思いしちゃだめだよ。

肝心な人からもらえない言葉を、こういう形で受け取るとは。

ふふふ。情けなさに笑えてくる。
テーブルに染みがいくつもできて行く。




「       」




その言葉が聴きたくて、聴きたくて。



握りしめた手から、小さなパールがわずかに輝いていた。











なんで後半こんな展開なんだ・・・。
題名とむりやり結びつけた感は、きっと気のせいではありません。

ちなみに「 love token 」が正しいのかは定かではありまs(オイ)
英語は苦手なので、こんな感じのしか浮かびませんでした。

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