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in 追跡シリーズ《完》

迷走

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お待たせしました!『追跡』・『逃亡』の続きです。
本当ーーーーーに遅くなり、すみませんでした!!
今回も香視点です。一人語りになっていますので、特に進展はない・・・です(汗)














息がきれるくらい走った。後ろを振り返る。
たぶん無意識だったと思う。そうすることが当たり前のように。


息を整え額の汗をぬぐう。


リョウは追ってこない。
追ってきたりしない。

分かっていたけど。あたしは心のどこか片隅で追いかけてきてくれることを望んでいたんだと思う。
期待していたんだと思う。
どこかの少女マンガのような展開を。

ゆっくり息を吸って吐く。

さっきのやりとりが鮮明に蘇る。
『あたしはこれからデートなの。リョウ一人で帰って』
この言葉をどう思っただろう。あたしの行動をどう思っただろう。
今になって不安が押し寄せる。

でも、今のあたしを占領しているのはいら立ちだった。
リョウがナンパをしたりツケを作ってきたりした腹立たしさとはまた違う。
やきもちとかそういうんじゃない。
もっとざらざらしていていやな感触が残る、そんな感じだ。
この気持ちになるたびあたしは自分が世界一醜くなったような気がしてすごくいたたまれなくなる。
そしてきまってリョウのことが好きなんだと自覚させられるんだ。






*   *   *   *   *





デートは予想外に楽しかった。
さりげなくエスコートをしてくれたりとか、会話が途切れないようにしてくれたりとか。いたるところで気を配ってくれる目の前の男と自分のパートナーを比べずにはいられなかった。
この人を好きになれたら。
そう思ったところで、すでに自分の思考はリョウに占領されていると気付く。
悔しいけど。腹が立つけど。結局はこうなるんだ。



男の申し出を丁重に断り、ひとり帰り道を歩く。
夜の10時を回ったところだった。このまままっすぐ帰るのが何だか悔しくて、近くの公園に寄り道することにした。ブランコに座り、やさしく揺らす。にぶい音が公園内に響くが、まだ生活の光りが見えるからだろうか。不思議と恐怖はない。



『で、今日は帰ってくんの?』


リョウの言葉が耳に残ってる。
珍しく着たワンピースも化粧も、デートも、何だかリョウへの当てつけのような気がしてきた。
自分を女として見てほしいというサインを押しつけてしまったような気がした。
今もこんなふうにわざと遅く帰ろうしている。
きっと、いや絶対、リョウは気にもとめないだろうけど。

すごくみじめな気分だった。
ワンピースから覗く膝がいっそうあたしを情けない気持ちにさせる。

・・・バカみたい。

裾を引っぱって、膝を隠す。
あたしは、何をしてるんだろう。
あたしは、何がしたいんだろう。




視界が滲むのを止めることができなかった。














かなり私寄りのカオリンです。
相当ひねくれています。かわいくないです。
でも、こういう感じってないですかね?素直になりたいのに、なりきれない自分っていうか。
ちょっと悔しいっていうか。

次で最後にします。どうぞお付き合いください
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