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in period《完》

period《番外編》

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世界が変わった。


この数日のあたしの心境を表すなら、この一言に尽きる。











period    ~香の場合


  







いつも通りの家事も、伝言板をチェックすることも、シャツに腕を通すことでさえ
すべて特別のことのように思えてしまう。
自分のようで自分ではない感覚。地面から2センチくらい浮いているんじゃないかってくらい、あたしの心は浮かれている。
こんなふうになるなんて。

好きな人と想いが通じることでこんなにも満たされるなんて。

  






洗濯物を干す手が止まる。




まったく、まるで別世界のようだ。






















「ね、依頼、入ったんだけど」


お昼ご飯のときにあたしは切り出す。本当は心から喜べる依頼じゃないんだけど、万年赤字の冴羽商事には贅沢は言ってられない。


「・・・モッコリちゃん?」

「うん。さっそく連絡しようと思うんだけど、いいよね?」

「・・・・・・ん~・・・」

「?」



珍しく歯切れの悪い返事に首を傾げる。


「何か予定あった?」

「・・・いや」

「?」



裏の仕事が入ってたのかな?それにしても、何かおかしい。ますます首を傾げる。

「・・・のとき」

「ん?」

「依頼のとき」

「うん」

「おまぁ、・・・依頼人と寝るんだよな」

「?うん」

「・・・」

「?」



リョウが何を言いたいのかさっぱりわからず、あたしの首は肩とくっつきそうになる。



「一体どうしたの?」

「・・・男の依頼はなかったのか?」

「・・・・・・」



思わず箸をとめてまじまじとリョウの顔を見る。
何て言ったの?
男の依頼?
とっさに言葉が出てこなくて数秒固まってしまったようだ。



「・・・具合い悪いわけじゃないからな」
あたしが言おうとしていたことを先に言われてぐっと詰まる。



「じ、じゃあ一体どうしたのよ?あんたが男の依頼なんて・・・」
信じられない。そうあたしの顔にはっきりと書いてあったはずだ。




ガツガツと箸と進める男はピタっと動きをとめ、そっぽを向いて口を開いた。






「・・・なるだろ」




「え?」





「・・・一緒に・・・なくなるだろ」




「?」
























「~~~だからっ!依頼人が女だと、おまぁと一緒に寝られなくなるだろっ!俺がっ!」















































ボボボっ!



お互いの顔の温度が上がる音が聞こえる。




「な、ナンパ行ってくるっ!」


箸を乱暴に置くとリョウはそのまま出て行ってしまった。














「なにいまの・・・」



リョウがあたしに向かってあんなこと言うとか。



「ありえないって・・・」




リョウに想われていることは素直に嬉しいと思うし、すごく幸せな気持ちになる。
でも、今みたいなときにどう反応したらいいのか正直、あたしの経験値ではわからない。
車道側を歩かせないところとか、荷物を持ってくれるところとか、ドアを去り際の手でおさえてくれるところとか、たぶんリョウにとっては何でもないことなんだと思う。
でも、今までされたことのない女扱いに戸惑ってしまっている。大事にされているような気がして鼓動が早まるのを抑えられない。






世界が一変しすぎて


(ついていけない・・・)






湯気が出ているだろう頬をおさえてあたしは俯いてしまった。













終わらせるはずが続いてしまった・・・。

想いが通じたら180度変わるだろうなぁ。男の依頼がいいって、どんだけ!
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