それでも

完全自己満足のCH二次創作ブログです。 想いのままに書き散らかしています。

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period《番外編》

糖度ゼロの上に、カオリンが出てこないという。
それでもよいという方、ぜひどうぞ(^^)












period   ~ある2人の男の場合










「・・・なんであなたが来るんですか・・」





不機嫌さを隠そうともしない男に思わず苦笑いが漏れる。

「悪かったな」

言いながら椅子に座る。コーヒーを店員に頼むと、男と視線を交わす。
しばらく無言でコーヒーを飲んでいた男は、俺の分が運ばれていたことを合図に口を開いた。


「香さんと、という約束のはずだったんですが」
「ああ」
「だったらなぜ、」
「俺が頷くと思うか?」
「・・・」

ぐっと言葉に詰まった男は、これまたおもしろくなさそうに「最後だったのに」と呟いた。

「未練がましいな」
「・・・誰のせいだと思ってるんですか」
「だな」
「そうですよ」

ふ、とお互い唇を上げる。

細田から連絡があったのは2日前のことだ。日本を発つ日が早まったから最後に会いたいと。この期に及んで細田がおかしな気を起こすとは思っていないが、自分の女に好意を抱いているだろう相手と二人きりで会わせるなんて許可できるわけがない。
夕食後、俺の機嫌を伺うようにおずおずと話し出す香に大人げなく「却下」を言い渡した。
もちろん香は食い下がった。昼間だし、もう前みたいなことにならないように気をつけるとか何とか言ってたが。・・・そういう問題じゃないってこと、いまだによくわかってないらしい。


「あいつの名誉の為に言っておくが、あいつは来る気満々だったからな」
「・・・止めなくてよかったのに」
「できん相談だな」
「香さん、かわいそうに。こんな理解のない男につかまって」
「そりゃ同感だ」

まったく、とため息を漏らしながら細田は困ったように笑った。




「あの晩のことは謝りませんよ。僕も本気でしたから」

コーヒーを飲みながら細田は言った。



「ああ。遊びであんなことしたってんなら俺も許さねぇしな」

「・・・十分怒ってるじゃないですか・・・」




片眉を上げて俺はコーヒーを飲む。



あの晩、香を問いつめ白状させた。
どういう流れでそういうふうになったのか。どこまで触れられたのか。
蛇に睨まれた蛙のように怯える香を容赦なく問いつめた。程度によっちゃ細田を、と思っていたが、顔を赤らめながらポツポツと話す内容を聞いてそっと胸をなで下ろした。
まぁ、むかついたことには変わりないが。
もちろん、そのあとはしっかり上書きした。







「時間か?」
腕時計を見る細田に尋ねる。

「ええ、そろそろ。12時の飛行機なので」

荷物を手に持った細田が俺を正面から見る。


「冴羽さん。幸せにしてくださいね、絶対」


誰をなんて言われなくても分かってる。

「言われるまでもねぇよ」
煙草に火をつけながら答えると、細田はそのまま店を出て行った。




今思えば。
俺と香の関係が変わったのは細田がきっかけだ。
キューピッドと呼ぶにはあまりに無神経だろうが。

(幸せに、か・・・)

幸せがどんなものなのかわからない。
本当に存在するのかさえも。
ただ、香と一緒にいると心が満たされる。もっともっと傍にいたいと思う。
その気持ちを幸せと呼べるのなら。


煙草の煙がゆらゆらと漂う間、俺は「キューピッド」が飛び立つ空へと思いを馳せた。








どこまでも人がよすぎる男。
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